カマンベールチーズの場合は、ここで型詰めを行います。白カビの作用で外側から熟成の進むチーズですから、その形状が熟成に影響します。特に厚さは重要で、作業は正確さと迅速さが求められます。型には2種あり、長いものは数個分を型詰めして後から分割するもの。双方とも、100g程度の製品を作る場合で直径70〜80mm、250g程度の製品ならば直径100〜115mm、いずれも高さ25〜30mmとなるよう型詰めします。
カマンベールチーズは、自重でホエイを排出するチーズ。湿度が高めで酸の生成が適度に進む温度を保った室内に16〜20時間静置してホエイを排出させますが、組織を均一にするため3〜4時間毎に2〜3回反転します。ドレイニング中のホエイ排除と酸生成はチーズの組織や風味を左右する重要な工程。特にpHが低くなりすぎないよう注意しなければなりません。
乾塩をチーズ表面に直接まぶすやり方もありますが、塩分が均等になる食塩水浸漬が一般的。型から外し、ロングモールドの場合は切り分けてからチーズをステンレス製の網状トレイに並べ、濃度18〜20%、温度10〜13℃、pH5の食塩水に、100gのチーズの場合で10〜15分間、250gの場合は30〜45分間浸漬します。これによって塩分1.4〜1.6%のチーズになります。
食塩水から取り出し、温度15〜18℃、湿度70〜80%の室内で一晩乾燥させます。