栄養価の高い食品であるチーズは、微生物にとっても、またとない御馳走で、有害な細菌やカビが増殖する危険を常にはらんでいます。そのため、原料となる牛乳はもとより、使用する材料や器具、機械の全てから、害となる微生物を排除することが、おいしいチーズを作る第一の条件となります。全工程を通じて、原料乳が汚染されないよう細心の注意を払う他、機器類を使用直前に殺菌するなど、取り扱いを厳重にする必要があります。詳しくは、『ナチュラルチーズ製造技術マニュアル』に記載してあります。
有害な微生物(細菌、酵母、カビなど)に汚染されていない良質な牛乳を用いるのが、おいしいチーズを作る基本です。
汚染をまねいて品質低下のもととなる異物を除去します。
作るチーズに合わせて、クリームや脱脂乳を加え成分を調整します。種類によっては濾過の前に行う場合もあります。
発酵や熟成を順調に進め、良質のチーズを作るために不可欠の工程。おいしく作るため、チーズの場合は比較的温和な殺菌を行います。
加熱殺菌で死滅しない有害微生物を除去する工程。長期間熟成させるチーズでは、特に重要です。
殺菌のため加熱された乳を、発酵に適した温度まで冷却します。冷却する前に、均質化の工程が入るチーズもあります。