カテージチーズには主要酸生成菌としてラクトコカス ラクチスまたはラクトコカス クレモリスを使用し、主要フレーバー生成菌としてロイコノストック シトロボラムやロイコノストック デクストラニカムなどクエン酸発酵菌を混合すると風味が良くなるとされます。添加量は原料乳の0.5〜1.0%ですが、接種後10〜20時間でホエイ酸度が0.50〜0.55%となるよう添加量を調節し、添加後は撹拌します。 [ショートセット法]スターター添加量は原料乳の5〜10%。
カテージチーズは酸凝固型のチーズで、レンネットは補助的なものですから、使用量は最少限の0.0003%程度に留めます。
レンネットによる凝固速度を一定にしてカードの硬さを均一にするとともに、殺菌で不活性化されたカルシウムイオンを補うため塩化カルシウムを添加することがあります。
温度を20〜25℃に保持した状態でチーズバット内の原料乳を静置し、乳酸酸度が0.50〜0.55%またはpH4.6〜4.8になるまで10〜20時間発酵させます。ロングセット法は長時間にわたる発酵中の温度管理が重要で、チーズバットをモスリンやカバーで覆い、カード表面の温度低下と異物混入を防ぎます。[ショートセット法]温度30〜33℃で4〜6時間発酵させます。
目標の乳酸酸度またはpHに達したのを確認してからステンレス製のカードナイフもしくはチーズバット付属の撹拌機でカードを均一な立方体に切断します。 大きさは12〜15mm程度が一般的。カッティング後は10〜30分間静置します。カッティングは時期が重要で、低酸度で行うとカードの粘性が強まって包装中にホエイが分離することがあり、高酸度ではカードが細かく砕けやすくなってホエイとともに流出し歩留まりを低下させます。