排出口のコックを閉め、 ホエイ排除後のカードを水洗します。方法はいくつかあり、次の手順で行うのが一般的。水は異物や臭気が無く適正なpH値で殺菌済みのものを使用します。
まず33℃の温水をカードの2倍量入れて充分撹拌し、15分間程カードを浸漬してから温水を排出する。
続いてカード粒子を冷却するとともに付着したホエイを除去するため、温度20℃前後の水をカードの2倍量注ぎ、カードの塊を静かに掻き混ぜながらほぐし、充分水洗した後、15分間程置いてから排水する。
次に5℃程度の冷水をカードの2倍量加え、よく掻き混ぜてほぐした後、直ちにホエイ排除時と同様の溝をつけて排水する。
その状態のままバットに蓋をし、約1時間かけて完全に水を切る。
水切りの完了したカードに食塩を加えます。添加量はカードの1.0〜1.5%。これを2回に分けてカードに均一に散布し、反転しながら撹拌してむらなく混合します。水切りが完全でないとカードが軟らかくなり、貯蔵中に水分が分離することがあります。クリームド・カテージチーズの場合はクリーミングの際に加塩します。
クリームド・カテージチーズを作る場合は、用意したドレッシングをカードに加えます。次のドレッシング例のいずれかを加えた場合、製品の塩分は約1%となりますが、カードのドレッシング吸収率はカッティング時のpH値や加温の程度によって大きく左右されますから注意が必要です。
脂肪率3.7%の全脂乳、脂肪率40%のクリーム、少量の食塩を混合したもの。成分値は脂肪分18.0%、全固形分25.7%、水分74.3%。
に脱脂粉乳や安定剤を加える。成分値は脂肪分17.5%、全固形分24.5%、水分75.5%。
またはに発酵クリームもしくはサワークリームを5.6:1の割合で加える。成分値は脂肪分18.0%、全固形分25.0%。
配合するドレッシングは温度74℃で30分間もしくは温度80℃で20秒間殺菌し、第1段140kg/cm2、第2段35kg/cm2の圧力で均質化後、温度4.4℃まで冷却、さらに粘度を付与するため20時間以上冷却保持します。
完成したカテージチーズは、異物の混入が無いことを確かめ、容器に充填します。品質保持のため、近年は窒素ガスや炭酸ガスによるガスパック充填が採用されています。 充填後は温度5℃以下に冷却します。バルク容器に充填したものは速やかに冷却できるよう、冷蔵設備の温度と能力、所要時間を確かめておく必要があります。
他の種類のチーズ同様に所定の検査を行いますが、生鮮食料品とも呼べるカテージチーズでは、保存期間中の品質を確認するため、保存試験の実施が望まれます。
カテージチーズは特に温度管理が重要で、必ず温度5℃以下で貯蔵するとともに、運搬、販売などの過程でも徹底した温度管理が必要です。