ゴーダチーズには通常、3〜4種の中温菌を混合して使用。細心の注意を払って培養したスターターを原料乳の1%程度添加しますが、スターターの活性状況によって添加量を調節します。原料乳に均一に分散するよう添加した後、充分に撹拌します。
添加する場合は、スターター添加から約30分後に、 原料乳の約0.01%の塩化カルシウムを約10倍の熱水に溶かして濾過し、均一に分散するよう添加し、 撹拌します。 その他に、硝酸塩や色素などを添加する製法もありますが、近年は、行われなくなってきています。
ゴーダチーズの製造で最も重要な工程のひとつ。理想的な速度で乳を凝固させ適度の硬さの凝固乳を得るには、原料乳の濃度や温度、pH、カルシウムイオン濃度、 レンネットの濃度や力価など、 多くの要因に注意しなければなりません。 添加後30分にカッティングできるのが望ましいので、 市販の粉末レンネットの場合は、原料乳の0.003%程度を水で溶解して均一に分散するよう添加し4〜5分間充分に攪拌します。使用するレンネットや器具の汚染には充分注意しなければなりません。
レンネットの添加後は、凝固作用が順調に進むよう速やかに乳の動揺を抑えて、約30分間、 静置します。冬季には乳の温度が下がらないよう注意する必要があります。
ゴーダチーズでは、7〜8mmの小豆粒大に凝固乳(カード)を裁断しますが、適確なカッティング時期の見極めと、迅速で正確な作業が求められます。切ったカードが再び付かないよう、また、カードを壊さないよう、静かに撹拌します。通常は、ピアノ線を取り付けたカードナイフで裁断し、撹拌にはカードレーキを用いますが、近年は裁断と撹拌を自動的に行うチーズ製造バットも使われています。
カッティング後の撹拌で収縮を始めたカードが、ある程度の衝撃に耐えられる硬さになったら、撹拌を止めてカードを沈降させ、ホエイ全量の3分の1から2分の1を取り除きます。排除後は再び撹拌してカードが浮遊する状態を保ちます。