カードの収縮とホエイ排出を促すため80℃程度の温湯を加えるかチーズバットのジャケットに熱湯を通して加温する場合があります。加温するか否か、どれ位の速度で加温するかは使用するスターターの種類や活性により異なりますが、15〜60分間に2〜5℃上昇させるのが一般的。加温中は緩やかに撹拌します。
カードが目標の硬さ(水分)に達したら撹拌を止めてカードをバットの底に沈め、ホエイを全量排除します。方法は、バット中央に溝を付けてバットを傾ける、カードを寒冷紗に包んで懸垂する、などいくつかあります。
ホエイ排除後のカードを型に詰めます。1個当たりの量は2〜4kg程度。 原料乳にカビスターターを添加していない場合は、型詰めの際にカード重量の0.02〜0.04%程度のカビ粉末を均一に散布して混ぜます。また、型詰め時に加塩する場合の食塩の添加量はカード重量の1〜2%程度です。 カードを詰めた型はホエイ排除台にのせ、反転しながら自重でホエイを排出さ せて成型します。反転は15〜30分毎に5〜6回行った後、1時間毎に3〜4回、温度18〜25℃湿度80%以上を保った環境で行います。
翌日、型からグリーンチーズを取り出し、表面全体に食塩を塗布します。食塩量はチーズ重量の約5%。これを3分の1づつ3日間に分けて加塩します。この加塩によって完成時の塩分は3〜5%となります。