若干酸度が上昇したところで徐々にチーズバット内の温度を上げます。加温速度の適確さが重要で、温度34℃までは7分間に1℃、その後38℃までは4分間に1℃の割合で温度を上げ、40〜45分間かけて加温します。
ホエイの酸度がカッティング後の測定値より0.025%程度高くなった時、撹拌を止めて正確に2分の1量のホエイを排除します。次に、再び撹拌して酸度がさらに0.02高くなったら、 残りのホエイを全て排除します。 この段階で酸度が高すぎると酸臭や褪色、脆い組織を生じやすく、低すぎれば果実臭や発酵臭、ゴム状の組織を生じやすくなります。
チェダリングはチェダーチーズ特有の工程で、これによって繊維 状に組織化されたチーズとなります。まずカードをバットの両側に集めてバット中央をホエイ排出溝とし、カードが融着してきたら4分割して、 塊を約10分毎に反転しながら積み重ねる作業を繰り返します。 チェダリングは、カードpH5.4以下、ホエイ酸度0.5〜0.6%となるまで、作業中に温度が下がらないようにして2〜3時間かけて行います。 終了後、伸し餅のような形になったカードの塊を1cm角に切ります。
ホエイ排除後、カードを両側に集める
カードが融着してきたら、それぞれを4分割する
各々を反転する
反転して積み重ねる
上下を入れ替えて反転
上下を反転して4段重ねにする
上下を入れ替えて反転、ジャケットに触れていない側をジャケット側に向ける
反転して濡れた布を固く絞ってかぶせ、板と重りをのせる
上下を入れ替えて反転し、同じく布をかけて板と重りをのせる
を繰り返す
折り畳んで布をかけ重りをのせる
上下を入れ替えて反転し、同じく布をかけて重りをのせる
再び折り畳んで同様に重りをのせる
入れ替えて上下を返し、重りをのせる
さらに圧搾されない部分がないように折り畳み、重りをのせる
計 量
1cm角程度に切断する
切断したカードをチーズバットの底に広げて、ふるいで食塩を均一に散布し、次いでステンレスのスコップで撹拌した後、溝をつけてホエイを排出します。加える食塩の量は、最終的なチーズの推定収量の2.5〜3.0%としますが、ホエイとともに流出するため、カードが吸収するのは添加量の50〜60%程度で、撹拌時間や食塩の添加量、カードの温度、水分などにより異なります。
加塩後約20分間静置したカードを型に詰めます。 型詰め後、表面積1cm2当たり0.3kgの圧力で1時間、次いで1cm2当たり0.5kgの圧力で圧搾します。