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ナチュラルチーズ製造技術マニュアル
財団法人 蔵王酪農センター
ナチュラルチーズ作りQ&A
[目次]
Question9 Q1 Q2 Q3 Q4 Q5 Q6 Q7 Q8 Q9 Q10 Q11 Q12 Q13

ホエイの処理が悩みです。そのまま廃棄してはいけませんか?

Answer
チーズ製造廃水と環境負荷

ホエイや洗浄水などのチーズ製造廃水には多量の有機物が含まれています。微生物などによる自然の浄化作用には限りがありますから、そのまま河川などに廃棄することはできません。廃水処理は技術面でも費用の面でも容易ではではありませんが、チーズ製造においては重要な部分です。

廃水処理施設の設置を

主な廃水処理施設には、散水炉床式、活性汚泥式、回収分離式、ラグーン式などがあり、小規模用には、タンクや水槽に放流した廃水を曝気する簡便な方式もあります。いずれの場合も廃水中の固形分を回収して処理施設への負荷を軽減し、維持経費を最少限に止める努力は必要です。

流失固形分の把握と回収を

まず第一にすべきは、すべての工程で有機物すなわち乳固形分を回収すること。工程毎に発生する廃水を区分する水路もしくは容器を備え、可能な限り回収しますが、特にホエイは固形分を6〜7%も含み、BOD(生物化学的酸素要求量)は35,000ppmにも達しますから、その回収は廃水処理面で大きな意義があり、製造原価にも反映します。
流失固形分は、工程毎に廃水を採取して乾燥法による測定で固形分の含有量を調べ、その数値と廃水量とを照らし合わせることにより容易に把握できます。

有効利用を

チーズ製造では原料乳の約83%がホエイとなり、固形分の50%がホエイに流出します。これをそのまま廃棄するのは環境や廃水処理施設への高負荷となるばかりでなく、経済的にも大きな損失ですから、回収して活用の方途を探すべきです。最も簡単な用途として飼料や肥料が考えられますが、飲料、冷菓、菓子、調味料、練り製品など広い用途がありますから、そうした製品を開発する他、業務用原料として出荷することも可能です。

参照

マニュアル第6集 3施設環境 2ホエイ管理


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