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ナチュラルチーズ製造技術マニュアル
財団法人 蔵王酪農センター
ナチュラルチーズ作りQ&A
[目次]
Question11 Q1 Q2 Q3 Q4 Q5 Q6 Q7 Q8 Q9 Q10 Q11 Q12 Q13

チーズが病原菌に汚染されないようにするには?

Answer
全工程の徹底した衛生管理を

リステリア菌や大腸菌群などは人間の生活環境のどこにでも存在する可能性がありますから、製造設備と製造機器の洗浄殺菌、作業従事者の履物の区別や手洗いなどにより製造施設を清潔に保つことが重要で、特に注意すべきは次の点です。

[洗浄] 製造に使用した機器は洗剤を用いて入念に洗浄します。洗い残しは殺菌不良の原因となる他、細菌の増殖、二次汚染を起こす恐れがあります。また、機器に傷があると洗浄が充分できなくなることがあるので、この点にも常に注意します。
[殺菌] 製造に使用する機器は、使用する前に殺菌します。蒸気による殺菌が最良で、機器の表面温度が85℃になってから10〜15分間保持しますが、蒸気が液体になる部分(ドレン)は温度が充分上がらない場合があるので注意し、蒸気が溜まりやすい箇所は配管のネジを緩めてドレンを抜きます。
蒸気による殺菌ができない機器は、塩素水などに浸漬して殺菌します。
[手洗い] 手を石鹸でよく洗った後、100ppm程度の塩素水で消毒します。 100ppmの塩素水は、 市販の次亜塩素酸ソーダ20ミリリットルを水20リットル(バケツ1杯程度)に加えて調製しますが 、有効塩素濃度が低下したものを使い続けることのないよう、 こまめに更新します。
殺菌乳の汚染防止を

原料となる生乳の確実な殺菌が第一の前提ですが、殺菌済み乳の汚染防止も重要で、次の点に留意する必要があります。

殺菌機に入れる際に生乳をはねさせない。
タンクの内壁や蓋などに付着した飛沫が充分殺菌されず、殺菌済みの乳に混入して二次汚染の原因となる。
殺菌済みの乳と未殺菌の生乳を接触させない。
二次汚染のもとになる。さらに、殺菌済みの機械器具と未殺菌乳の接触も避ける。
殺菌機の温度計を確実に管理する。
アルコール温度計は狂いが生じやすいので、少なくとも月に1度は試験室で標準温度計と比較し、誤差に応じた補正を行って常に正確な殺菌温度が保持できるようにする。比較試験の結果と補正内容は必ず記録し保存する。
参照

マニュアル第6集 2従業員2、3施設環境1、4製造設備2、8


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