HACCPとはどんなものですか?
HACCP(Hazard Analysis Critical Contorol Pointの略)とは危害分析重要管理点(およびその方式)による総合衛生管理製造過程。食品の製造や加工を行う際の品質管理の手法のひとつで、コーデックス規格をはじめ世界各国の食品規格に採用されており、ISO9000シリーズやISO14000シリーズとともに重要性が認識されています。 HACCPはあらゆる分野で活用でき、消費者の品質に対する関心の高まりに応えつつ製造物責任法に対応するための極めて有効な手法と言えます。
HACCPは、 規模の大小に関わりなく、企業に導入の意志のあることが前提で、下記の7原則(〜)を含む12の手順により進められます。
製品名、原材料、包装形態、製品規格、品質保持期限、対象消費者など
使用明細の作成
HACCPは欧米諸国で積極的に採用されており、日本国内でも実施企業が徐々に増えています。ナチュラルチーズ製造の場合は、原料となる生乳の生産から処理、加工、流通に至る全ての過程が対象で、まず、病原菌などの微生物、抗菌剤など化学物質、金属や硝子の破片など異物、といった食品の安全に関わる危害を予測(Hazard Analysis)し、これらを防止できる箇所を重要管理点(Critical Contorol Point)として特定します。 次いで、生乳の受け入れ、 殺菌、 レンネット添加、熟成など各工程の重要管理点において温度や圧力、流量などを短時間で正確に計測し、管理基準に合致しているか否かを監視して、基準から外れた場合は予め定めた改善措置をとります。さらに、制度全体が充分機能しているかを検証しつつ全てを記録して保存し、製品の安全性を向上させます。 重要管理点の例として、生乳の受け入れ、セッティング、レンネット添加、カッティング、型詰め、加圧、ホエイ分離、型抜き、加塩、乾燥、カビ接種、熟成、包装が挙げられます。
マニュアル第10集 チーズの衛生管理 2HACCPの実践