販売後のチーズにカビが出ます。予め調べられますか?
微生物の生育条件には、水分、養分、酸素の有無、温度、pHなど様々な要因がありますが、一般にカビは細菌より強靭で、チーズで問題となりやすいペニシリウムやアスペルギリウスは水分活性0.8〜0.85(細菌は0.9以上)で生育でき、 生育適温は20〜25℃(細菌は30〜33℃)で最低生育温度は0〜8℃。冷蔵でも増殖する点に注意しなければなりません。
カビには脂質や蛋白質を分解して独特の風味をもたらす有用なものもありますが、一般的には、カビ集落の発生した食品は商品価値が著しく損なわれます。チーズの熟成、流通過程では青、黒、緑色の集落発生例が多く、いったん集落が発生すると多量の胞子が飛散して急激に汚染が進行します。 その原因の第一は、原料生乳の9割に1ミリリットル当たり100個以上のカビ胞子が存在することで、原料生乳の適確な処理をはじめ、製造施設および機器のカビ防除、二次汚染の防止、熟成中の管理、流通条件などに配慮が求められます。
集落の形状と数でカビ数を測定する次の試験法が国際的に広く採用されています。
市販の酵母エキス・ブドウ糖寒天培地を指示通り溶解、 滅菌しpH6.6に調整。 使用直前に温度45℃に保持し培地1ミリリットル当たり100µgのクロラムフェニコールまたはオキシテトラサイクリン塩酸塩0.1%溶液を培地100ミリリットルに対して10ミリリットル添加し、 混合する